「読書感想文が楽しくなる本!学年別おすすめ10選【2025年版】」

おススメ

そもそも「読書感想文」が苦手な理由とは?

「読書感想文って、なにを書けばいいのかわからない」
このセリフ、子どもたちから毎年のように聞こえてきます。
読書が嫌いなわけではない、むしろ面白かったのに——いざ“感想文を書く”となると手が止まってしまう。

これは多くの小学生・中学生が感じている“夏休みの壁”のひとつ。
なぜここまで苦手意識が広がっているのでしょうか?


1. 「感想」ってなんだかあいまい

まず最大のハードルは、「感想を書きなさい」という指示の**“あいまいさ”**です。
子どもにとって、“正解のない課題”というのは、ものすごく難しい。

  • 何を書いたら正解?

  • あらすじをなぞるのはダメなの?

  • 感想って、どうやって浮かぶの?

そんな戸惑いが、手を止めてしまう一番の原因。
大人でも「あなたの感想を自由にどうぞ」と言われたら、正直困ってしまいますよね。


2. 本の選び方次第で“苦行”になることも…

もうひとつ、感想文が苦手になる理由は、本選びの段階でつまずいているケースが多いということ。
まだ活字に慣れていない低学年の子どもに、長い物語を読ませる。
中学生に、あまりに内容が抽象的な本を読ませる。
——これ、ちょっとした地獄です(笑)

「読まなきゃいけない」から始まる読書は、楽しいはずの本の世界を“宿題”に変えてしまう。
だからこそ、“読書感想文に向いている本”を選ぶことが、最大の近道なんです。


3. 「自由に書いていいよ」が逆に苦しい

先生や親はよかれと思って、「自由に思ったことを書いてごらん」と言うことがあります。
でも、子どもにとってはこの“自由”こそが一番の不自由だったりするんです。

「こう書けばいいよ」「ここがポイントだよ」と、最低限の枠があるほうが、案外書きやすいもの。
つまり、感想文が苦手なのではなく、進め方がわからないだけ。

書くためのきっかけさえあれば、子どもたちはしっかり“自分の言葉”を持っています。


感想文は、読む力も書く力も必要とする課題。
だからこそ、“書きやすい本”と“書きたくなる本”を選ぶことが、成功体験への第一歩になるのです。

次は、そんな本をどうやって見つけるのか、**読書感想文向きの「本の選び方」**をお伝えしていきますね。

本を選べば感想文は8割書ける!選び方のコツ

「読書感想文って、結局“本選び”で決まるんですよね。」

これは、わたしが以前家庭教師をしていたときに、毎年口にしていたセリフです。
感想文がスラスラ書けた子のほぼ全員が、「自分に合った本」に出会っていました。
逆に言えば、どんなに感受性豊かな子でも、“ピンと来ない本”を読んだときには、苦戦していたんです。

では、どんな本を選べば感想文が書きやすくなるのか?
ここでは、親御さんや先生も一緒に考えられる、本選びの3つのコツをご紹介します。


1. 「感動」よりも「共感」ができる本を選ぶ

よく「感動する本を読ませよう」と選びがちですが、実はそれ、ちょっと落とし穴かもしれません。
感動って、ある意味“他人ごと”で終わってしまうことが多いんです。

それよりも、「あ、わたしもこんなこと思ったことある」
「この子の気持ち、わかる気がする」
——そういう**“共感”が芽生える本**のほうが、ずっと感想が書きやすいんです。

登場人物の行動にモヤモヤしたり、「自分だったらどうする?」と考える余地がある物語こそ、子どもたちの感情を引き出します。


2. 長すぎる本はNG!「読み切れる」って超大事

「せっかくだから良い本を」と分厚い名作を選んでしまう親御さん、けっこう多いんです。
でもそれ、子どもにとってはただの“読破チャレンジ”になることも…。

読書感想文に適した本は、1〜2日で読み切れるくらいのボリューム感が理想です。
特に低・中学年では、100ページ前後の読み物か、文字が多めの絵本くらいがベスト。
読み切れると「やりきった感」があり、感想文へのモチベーションにもつながります。


3. 「なにかひとつでも心が動いた」があればOK

本の中のストーリー全体に感想を持たなくても、“一か所でも心が動いた場所”があれば、それで十分なんです。

  • キャラクターの言葉

  • ある場面の描写

  • 結末への驚き

  • 主人公の気持ちの変化

こういった「自分がなぜそこに反応したか」を深掘りするだけで、原稿用紙の1〜2枚はすぐに埋まります。

読書感想文って、「全部を語らなきゃいけない」わけではありません。
むしろ、“自分の目で見つけたひとつ”を大切にしてあげると、自然と「書きたい言葉」が出てくるものなんです。


このように、本選びで押さえるべきは、

  • 共感できること

  • 読了しやすいこと

  • どこか一つでも心が動くこと

この3つがそろえば、感想文はもう8割完成したようなもの。
あとは書き出しのきっかけさえあれば、自然と子どもたちの言葉が出てくるはずです。

それではいよいよ次は、学年別におすすめの“読書感想文向き本”ランキングTOP10をお届けします!

【学年別】読書感想文におすすめの本ランキングTOP10

ここでは、実際に読書感想文に選ばれて高評価だった本、感想が書きやすいと評判の作品を学年別に厳選してご紹介します。

「子どもが最後まで読めるかどうか」「感想を書きやすい内容か」を重視しながら、2025年最新版のおすすめ10冊をまとめました。

絵本から児童文学、そして大人も考えさせられる一冊まで、幅広いジャンルから厳選しました。


絵本で広がる優しい世界

🔸低学年(1〜2年生)向け:読み聞かせから“自分で読む”へ

  1. 『たからもののあなた』 (えほんのぼうけん 83) (まつおりかこ/岩崎書店) あなた自身がかけがえのない大切な存在だと教えてくれる、心温まる絵本。自己肯定感を育むメッセージは、子どもだけでなく、大人にも響きます。 商品を見る
  2. 『おばけのてんぷら』(せなけいこ/ポプラ社) おばけがてんぷらを揚げるというユニークな設定で、子どもたちが大好きな「こわいけど面白い」世界が広がります。読み聞かせにもぴったりな一冊。 商品を見る
  3. 『すいかのたね』(さとうわきこ/福音館書店) 夏にぴったりの、楽しくておいしい絵本。すいかの種を飲み込んだらどうなるの?という子どもの素朴な疑問に答える、想像力を掻き立てる物語です。 商品を見る

冒険と成長の児童文学

🔸中学年(3〜4年生)向け:「ちょっとリアル」が面白くなる時期

  1.  『ともだちや』(内田麟太郎/偕成社) 「ともだち」とは何かを考えさせてくれる、ユーモラ スで心温まる物語。本当の友達とはどういうものか、子どもと一緒に考えるきっかけにもなります。 商品を見る
  2. 『ルドルフとイッパイアッテナ』(斉藤洋/講談社) 野良猫のルドルフが、個性豊かな仲間たちと出会い、様々な経験を通して成長していく冒険物語。友情や困難を乗り越えることの大切さを教えてくれます。 商品を見る
  3. 『二分間の冒険』(岡田淳/偕成社) たった二分間の出来事が、少年を不思議な冒険へと誘います。日常の中に潜む非日常、そして自分自身の可能性に気づかせてくれる物語です。 商品を見る
  4. 『くちぶえ番長』(重松清/新潮社) 小学校を舞台に、子どもたちの友情や葛藤、成長を温かいまなざしで描いた連作短編集。読み終えた後、きっと忘れかけていた子どもの頃の気持ちを思い出します。 商品を見る

大人にも響く、生き方を考える本

🔸高学年(5〜6年生)向け:「気持ちの深さ」が伝えられるように

  1. 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ/新潮社) 多様な価値観が混在する現代社会で、どう生きるか、どう考えるか。イギリスの公立中学校に通う息子さんの視点を通して、私たち自身の「当たり前」を問い直すきっかけを与えてくれる一冊です。 商品を見る
  2. 『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎/岩波文庫 or マンガ版) 人生で直面する様々な問いに対し、主人公のコペル君が叔父さんとの対話を通して自分なりの答えを見つけていく物語。時代を超えて読み継がれる、示唆に富んだ名著です。 商品を見る
  3. 『14歳の君へ どう考えどう生きるか 』 (池田晶子/毎日新聞出版) 哲学者の池田晶子が、これからを生きる若い世代に向けて、「考える」ことの重要性を問いかけます。人生の道しるべとなるような、本質的なメッセージが詰まった一冊です。 商品を見る

本は、読む人の“今の心の状態”によって、響き方がまったく変わります。
だからこそ、「学年別」の目安はあくまで参考に。
お子さんの興味や性格、日々の出来事とリンクするような本を選んであげるのが、何よりも効果的です。

読書感想文の成功は、「最後まで読めた」「気持ちが動いた」——その2つさえあれば、もうほぼ完成しています。

次は、そんな子どもの力を引き出すために、親や先生ができるちょっとしたフォロー術をご紹介します。
感想文が“苦行”から“楽しいアウトプット”に変わる、ちょっとしたヒントです。

読書感想文を「苦行」にしない!親ができるフォロー術

読書感想文というと、多くの家庭で夏休み後半の“修羅場”を連想するかもしれません。
「読んだけど何も思わなかった…」
「書くことが浮かばない…」
「とにかく面倒くさい…!」

でも実は、ほんの少しのサポートで、子どもたちはちゃんと「自分の言葉」を見つけていけるんです。
ここでは、読書感想文を“ただの宿題”ではなく、“気持ちを言葉にする体験”に変えるための、親や先生ができる具体的なフォロー方法をご紹介します。


1. 読み終わったら“感想インタビュー”をしてみよう

本を読み終えたら、すぐに「さあ、書こうか」ではなく、まずは会話をスタートしましょう。
質問はできるだけシンプルに、答えやすくするのがコツです。

  • いちばん印象に残った場面はどこ?

  • 主人公の気持ち、どう思った?

  • もし自分だったら、どうする?

  • 読む前と後で気持ちが変わった?

こういった**“インタビュー形式”**にすると、子どもは自然と口を開いてくれます。
答えた言葉をそのままメモしておけば、感想文の材料がすでに揃っている状態に!


2. 書き出しのハードルを下げる“魔法の一言”

子どもが原稿用紙を前に固まる最大の理由——それは、「書き出しが怖い」こと。
最初の1行が出てこないと、すべてが止まってしまうんですよね。

そんなときは、テンプレートに沿った導入文を提案してあげるのが効果的です。

例:

  • 「私はこの本を読んで、○○と感じました。」

  • 「○○という場面が特に印象に残っています。」

  • 「もし自分だったら、○○したと思います。」

このように、書き出しの“型”を与えてあげることで、自信を持って書き始められるようになります。


3. 原稿用紙の「埋め方」より「伝え方」に注目

原稿用紙の枚数にばかり注目してしまうと、子どもは「とにかく書かなきゃ」に陥ってしまいます。
そうではなくて、「自分の気持ちを伝える」という本来の目的に目を向けることが大切です。

たとえ原稿用紙1枚でも、

  • 自分の言葉で

  • 自分の感じたことを

  • 自分の考えで書けている

そんな感想文なら、十分に素晴らしい。
長さよりも“その子らしさ”を大切にしてあげることで、子どもも「書いてよかった」と思えるようになります。


ちょっとした会話、少しの型、あたたかい見守り。
それだけで、読書感想文は子どもにとって“楽しい体験”に変わります。

最後に、この記事のまとめとして、「読書感想文で得られる一番の価値」についてお伝えして締めくくりますね。

まとめ:読書感想文は“本選び”から始まる成功体験

読書感想文というと、「とにかく大変な宿題」「親子でぶつかる恒例行事」——そんなイメージがつきまといがちです。
でも、この記事を通してお伝えしたかったのは、**“読書感想文って、実は子どもの自己表現のはじまりなんだ”**ということ。

そして、その第一歩が「本選び」。

内容を理解できることはもちろん、「おもしろかった」「ムカッとした」「ドキドキした」——そんな心がちょっと動いた瞬間があるだけで、感想文は書けるようになるんです。


書くことが好きな子なんて、最初はほんのひと握り。
でも「これ、わたしの気持ちと似てる」「これ、家のことを思い出すな」——そんな小さな共感から、言葉は生まれてきます。

それを丁寧に引き出してあげられるのが、親や先生のちょっとしたサポート。
感想文はテストじゃない。うまく書く必要も、正解を書く必要もありません。


読書感想文で本当に得られるものは、
・自分の気持ちに気づくこと
・それを“誰かに伝える力”を育てること
・本を「誰かと共有できるもの」として楽しむ心

この3つです。

そして、これらは将来どんな場面でも役立つ、人生の“根っこになる力”だと私は思います。


今年の夏は、「また読書感想文か…」とため息をつく前に、
親子で一緒に本を選ぶ時間を、ほんの少しでも持ってみてください。

「読んでみたい」
「これなら書けそう」
——そんな気持ちになれたら、もうその時点で“成功”は始まっています。

感想文は、“書かされるもの”ではなく、“感じたことを言葉にするチャンス”。
子どもたちが自分の言葉で世界を表現できるよう、まずは本との出会いを、丁寧に選んであげてくださいね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました